保育士歴17年、「保育はプロ、親はアマチュア」をモットーにしているmugiccoです。
今年の春、息子が右腕の、『上腕骨顆上骨折(じょうわんこつ・かじょうこっせつ)』をしました。自分も骨折をしたことがない私にとっては、子どもの骨折は初めて経験することだらけ!
実際、初めての経験なので対応方法や、三角巾について、お風呂の入り方、どれくらいで完治するの?など藁をもすがる思いで色々調べました。
正直、そんなに見つからなかったんですよね。
このサイトにたどり着いた方も、骨折の完治はいつ?肘の骨折で手術と言われた人の体験談などを調べたのではないでしょうか?
ですので今回は、手術の可能性とも言われた肘の骨折の経過と共に、骨折中に気をつけること・ポイントなどを記していきます。
子どもの骨折あるある 「上腕骨顆上骨折(じょうわんこつかじょうこっせつ)」とは?
子どもが怪我をするのはほんの一瞬の事と言いますが、事故・怪我はさまざまなタイミングが悪い方に重なった時に起こるもの。
保育士・児童館職員だった時も骨折の子どもの対応はして来ましたが、「上腕骨顆上骨折(じょうわんこつかじょうこっせつ)」は初めての体験でした。
骨折を知らない人生の方が絶対に良いですが、やはり自分の体をうまくコントロールできないのが子どもなので、骨折もあるあるの怪我ですよね。
いざという時に頭の片隅に置いて頂けると、少し参考になるかもしれません。
今回、4歳息子が骨折したのは、右腕の「上腕骨顆上骨折(じょうわんこつかじょうこっせつ)」という名称でした。
位置で言うと「肘の上」です。
主治医の先生からは、
・この部分の骨折は初期の診断が厄介完治となっても、成長過程でズレがあれば手術になる
・もし成長過程で手術となっても、それは初動対応のせいではなく、運が悪かっただけ、どうし
ようもない。
・完治しても、成長過程の経過観察が必要な位置の骨折。
・骨折の全治は3ヶ月(予定)。
と言われました。
息子はこの骨折で3つの病院、3人の医師に診てもらう事になりました。低学年くらいまでの子どもに多いメジャーな怪我ではあるけれど、いかにこの骨折の判定が難しく、医者泣かせであるかわかるかと思います。
結果、手術は回避、2ヶ月半で一旦の完治になり、我が家は最悪のパターンは避けられました。
(成長過程はわかりませんが)
では、怪我の当時の様子から振り返ってみます。
大泣きする我が子。また腕が抜けた?それとも・・・骨折?!
その日は母の友人のお子さん(息子と同い年)が来ていて、おやつの後に公園に遊びに行きました。
普段は、夕方に公園で遊ぶことは基本ありません。夕方は疲れが溜まる時間&家族以外の誰かがいると興奮してしまうので、避けていました。
友人のお子さんが室内遊びで発散できなくなったので、この日はイレギュラーで出かけました。
しばらく遊んだのちに、息子は公園に来ている他のお子さんの遊びに誘われて普段入らないグラウンドのネットの間などを探検して楽しんでいました。
行ったり来たりしていたのですが、そこは公園のグランド周り。敷地内とはいえ、親子共々入ったことはないスペース。
(あー行っちゃった・・・!!あ、でも戻ってきた・・・)
そんなことを繰り返していたので、少しの安心と、友だちとそのお子さんが楽しめているのか気になった私。
声をかけても戻って来ないので、直接呼び戻そうと息子を追いかけると・・・
そこには地面で腕を押さえて泣いている息子をがいました。
すぐに駆け寄り抱っこをしながら観察。
その時は、いつもより激しい泣き方ではありませんでした。ただ、自力で起き上がることができなかったのと、いつもより長く泣いていました。
そして、瞬時に「肘が抜けたか、骨折か?」と想定。
*肘が抜ける 正式には肘内障。脱臼と言う表現をすることも多いですが、実際には骨ではなく靭帯のずれです。
とにかく気持ちが切り替わるように、「あ、〇〇あるね」「△△って音しなかった?」など関係ない話をしたり、抱っこして落ち着かせたりして気を逸らせたりしながら、時折「指、動く?」「手、動く?」と本人に動かせるか聞いていました。
*絶対に大人が動かしてはいけません!私は少し触ってしまったかも・・・反省
正直、指は動くし、腕もその時点では腫れてはいない、痛がるものの、腕は動いていました。
骨折ではないのかも・・・と思いました。というか思いたかったのかもしれません。
その後、帰りたがらない息子を説得して帰宅。
道中も腕が響いて痛いのだと思います、時折立ち止まり、なかなか足が進みませんでした。
土曜の午後、病院へ行く?様子をみる? 私の結論:空いている病院をいち早く見つけて受診が正解です!
子どもの病気・怪我で病院へ行こうか迷いますよね。その判断基準。
なぜ悩むのかというと、どれくらいの症状か本人が伝えられないので、親が判断しないといけないから。親としては、大事でないことを祈りたいし、安心もしたい、だけど、『これぐらいで病院行きたの?』と迷惑もかけたくない・・・。
色々な思いが駆け巡りますが、私の一つの判断基準に、とにかく金・土・であれば、即病院へ行くというのが鉄則となっております。
なぜなら、週末に容体が悪化する可能性があるからです。日曜・祝日であれば、夜に急変してもなおさら見てもらうのが大変になります。それ以外に、いつもより泣き方がひどい時、首から上の怪我の場合、症状がいくつも重なっている場合は即病院へ行くのがいいと思います。
我が子は2歳くらいまで夜間の救急にかかることが何度もありました。呼吸器が弱いので、様子を見ている間に窒息で命に関わるからです。また、「熱性痙攣(ねっせいけいれん)」を起こした時は、迷いながら救急車を呼びました。救急隊員の方に、「けいれんは救急車もちろんOK!悩んだら呼んで下さい!」と言っていただきました。
ですので、私の結論は「空いている病院をいち早く見つけて即受診!!」です。
(実際、厄介な部位の骨折だったので、速さが重要だったと思います)
怪我をしたのが15時すぎ。友だちには帰宅してもらい、この時点で15時半。そして土曜日!!
「空いている病院はあったか・・・整形外科どこだっけ・・・ああ、痛いよね、すぐ病院連れていってあげるからね・・・」
と色々考えているのに、ギャン泣きしている息子が膝の上にいる状態で、物事を順序立てて考えられなくなっているのを感じました。
仕事中の夫に連絡するけれど出ない!
ネットで調べた救急病院に電話をし、そこから紹介されたA病院へ電話。また、その病院から地元のB病院を紹介され、B病院へ電話しよう・・・としているところに夫から折り返し連絡が入りました。
「ギャン泣きしていて頭が回らない、病院は聞いたのでそこに行く」と話すと、すぐにタクシーで行けるC病院に連絡&タクシーの手配と全て対応してくれました。
タクシーを待つ間に私にも余力ができ、努めて子どもには穏やかに接することにしました。親が動揺すると子どもが余計に不安になるので「大丈夫だよー」となんの根拠もなくても言い続けます。
腕は歩くと響きそうなので、ベビーカーを使って、歩く場所は移動しました。ベビーカーを積んでタクシーに乗り込み、病院へ。
その頃には、私も子どもも落ち着いてきました。
子どもが怪我! 怪我した時の初動の心がまえは?
今回の子どもの大怪我により、改めて怪我した時の初動について考えるきっかけとなりました。
大切なポイントについて以下にまとめてみました。
怪我した時の初動の心がまえ
①患部を動かさない。
②怪我の箇所を確認する。
子どもは一番痛い怪我の事で泣いていますが、実は、後から口の中が切れていることなど別の怪我をしていることもあります。多少の打撲などは後からでも構いませんが、怪我の種類によっては早急に手当てが必要なこともあります。ですので、大きな怪我が他にはないか確認するのが大切です。
骨折の他に、「子どもの怪我あるある」で早く対応が必要なのは、【口の中の怪我と頭の怪我】。(だと私は考えています)歯の揺れ、歯からの出血、唇と歯茎がつながっている舌小帯(ぜつしょうたい)が切れているなどよく観察しましょう。
頭部の怪我は「たんこぶができているなら大丈夫」などという考えも古くは出回っていましたが、容態が急変するなどして骨折より危険な場合もあるので、初動の対応のときによく確認しましょう。
③怪我を見て大人が大騒ぎしない。
結構、大人の雰囲気の作り方って大事なんです。
自分が怪我をした時にお医者さんに「これは大変だー!」と大騒ぎされるのと、「大丈夫ですよ」と声をかけられるのだと、圧倒的に前者は不安を煽り、後者は安心しますよね。内心は焦っていても、演技で平常心を装います。子育てはあらゆる場面で演技力必要!
④頼れれば、誰かにすぐに連絡する。(自分を落ち着かせることが大事)
パートナー、おじいちゃんおばあちゃんなど、誰かに連絡をすることで、1人で抱え込んだトラブルを「みんなのもの」にしちゃいましょう。そうすることで少し冷静になってきます。そして、病院は事前に把握しておくといいと思います。特に、土日診療のチェックが重要!
⑤腕が響いて痛いので、移動は車かベビーカー◎ 自転車は△乗り降り危険。
⑥子どもはたくさん泣いて、興奮しているので水分補給を。病院にもおやつ、飲み物を持っていく。(救急ではないので、普通に待つ時間長い)
タクシーで病院へ!骨折判明、手術か手術回避か・・・?
病院へ行きましたが、土曜の午後の診察。事前予約もなし(直前の電話はしましたが)なので、そこそこ待ちました。「病院に着いたから、もう大丈夫だよ」と、繰り返し、「大丈夫」という言葉を使いました。親も子どもも落ち着くので、言葉にするのは結構、暗示がかかっていいと思います。
我が子は他のお子さんより初めての出来事に不安が強いので、診察を待つ間に『この後どんな流れになるか』を本人に伝えました。
①先生が怪我を診てくれる。
②写真(レントゲン)を取る。
③手当してくれる
④採血・注射はないはず ←ここが子どもにとって重要な項目のようです。
だったかと思います。この方法は、不安の強いお子さんだけでなく、どんなお子さんでも有効だと思います。
楽しいことではないけどやらなければならない時こそ、「これからどんな事をするのか」をわかる範囲で事前告知をするというのは必須!です。だけど、信頼を失うので、絶対に嘘だけはつかないでくださいね・・・*例えば「注射するけど痛くないよ」など。絶対痛いですから笑!
診察をしてもらった時には、肘より上が大きく腫れあがっていました。この部分(上腕骨顆上骨折・じょうわんこつ)の骨折では、肘より上が大きく腫れ上がるそうです。
問診の後、レントゲンを撮ります。子どもが不安がる場合は、親も一緒にレントゲン室に入れるので先生に声をかけてOKです。
余談ですが、レントゲンに行く際に、先生に「おしりにカメラする・・・?」と不安げに聞いていた息子に、先生、ナース、私と思わず緊張がほぐれて笑ってしまいました。
数ヶ月前に私が行った大腸検査のインパクトがあって以来、病院=写真=おしりのカメラ・・・?だったようです笑。
レントゲンの結果、『上腕骨顆上骨折(じょうわんこつ・かじょうこっせつ)』が判明。
この部分の骨折は、骨のズレが許容範囲を超えていたら「即、手術が必要!」とのことで、骨の角度が何度ズレているか正確に判定する必要があるそう。
今回は手術か手術回避かの判定が、非常に微妙なラインでした。この時点では判定できず、整復をして様子を見ることになりました。
先生が、整復(ずれを治す)をしながら添木(この時点ではギブスではない)をつけます。
整復には痛みが伴いますので、本人も「やめてぇー」と泣いていました。ここでどれだけ整復できるかにかかっているので、親は子どもを励まして支えます。
この時点で怪我から約1時間半。
対応としては遅くなかったように思います。
土曜日の午後の怪我なので、スピード感がものを言いました。
これで「少し様子を見よう」「お父さんが帰ってから病院へ一緒に行こう」などしていたら、
通常の病院は閉まって、その後、救急に行ってもさらに待つことが容易に想像できます。
医者からは「月曜日に再度診察してズレが戻っていなかったら、大学病院へ行くように」と言われて帰宅をしました。
骨折の日の夜の過ごし方は? 〜お風呂は?どうやって寝るの?
お父さんも合流し、手当もしてもらったので安心したのか元気になってきました。しかし、ギブスではなく添木のため、体勢が変わったり、どこかに触れたりすると、とても痛がりました。
お風呂はやめて、可能な範囲で体拭きをしました。
大変なのは寝る時で、骨折した腕の置き場に困っていました。
寝返りをうつたびにとても痛いようなのです。(*この時点では添え木なので痛いですが、ギブスになると大丈夫です!)
結局、怪我した腕は、本人のお腹の上に乗せる体勢が一番しっくりきていました。(怪我した当日)
怪我をした当日の夜だけは、寝るのがしんどいので親も根気よく付き合う覚悟でいましょう。
まさかの骨折翌日、39℃の発熱!
翌日の日曜日は、発熱。なんと!39度近くまで上がりました。
この発熱については、2人のお医者さんに「骨折では発熱しないけど。。。」と言われています。
しかし、個人的には骨折のショックで高熱なのかと思っています。
熱性痙攣(けいれん)を何度も起こしたり、チック(運動チック・音声チック)が出やすい子なので、体のショックで脳との連携がうまくいかなくなって、高熱が出たのだろうなと勝手に思っています。他の鼻水、咳など症状ない高熱でしたので、いわゆる知恵熱的なイメージです。
チックとは
本人の意思とは関係なく、無意識に動いたり、出てしまうもの。瞬きを高速でしたり、首を曲げたり(運動チック)咳払いしたり(音声チック)など色々あります。注意しても治らないので、基本優しいスルーが求められます。*周囲の大人同士は情報交換必須です
このご時世(2021年4月)、【コロナでない証明】をしてこないことには、根本の治療には入れない話は巷でたくさん聞かれていました。このまま熱が下がらなければ、整形外科は受診不可になるのでは?と内心焦っていました。
なんとか熱は1日で下がり、月曜日には再び受診ができて胸を撫で下ろしました。
この熱に対しては、特別な対応はしていません。熱の時にしてほしい対応をするだけで大丈夫でした。(食べやすいものを用意、水分補給、手足が熱くなっていて、冷やしたければ冷やすなど)
怪我から二日後、再受診。手術の可否は判断できず、大学病院へ・・・
月曜日の受診の時には熱も下がり、本人はだいぶ落ち着いてきています。
親としては手術かどうか掛かっているので焦っていますが、子どもにそれを悟られないように努めなければなりません。そのため、子どもの前では隠語(?)を使って夫婦で話すようにしていました。
子どもたちを動揺させないように、保育士同士も【わざと難しい言葉を使って話す】というテクニックを利用しています。ぜひ家庭でも使ってみてください。おすすめの隠語はやたら難しい言葉を使うこと・・・です。
怪我をした2日後の受診では、早速レントゲンを撮って骨のズレの角度を測ります。
診断結果は、「保持(手術なし)で行けるとは思うけれど、判定として微妙な分かれ目。念の為、大学病院で診察した方がいい。手術となれば『準緊急手術』扱いとなり、割とすぐに手術となる」とのことでした。
首の皮一枚繋がって、その足で紹介状を持って、大学病院へ急ぎます。
大学病院で再々受診・・・手術回避か温存か?結論がなかなか出ないまま
大学病院でも再びレントゲンを細かく撮り、先生は誰かに連絡をとって診断の確定をしていました。
結論、「本当に判断の難しい微妙なズレ。このままくっつけばいいけれど、ズレていたら即、手術になる。今はギブスにして温存。週末に、この大学病院から開業した先生のところで受診し、そのときにズレていたら即、手術」。
次の診察時はGW(ゴールデンウィーク)。大学病院が閉まっているので、開業医の先生を紹介されました。なんとか首の皮一枚繋がりました・・・。
この時、2度目の整復をしています。ここでしっかり整復することで手術を回避するので、「がんばろうな」と声をかけてくれました。今度はがっちりとギブスをしました。
ギブスは今、石膏は少なくなっているようで包帯型ギブスでした。水に濡らすとカチカチのベルトのようになります。段ボールや箱を止めるバンドのような感じです。痛々しいほどに腕はまだ腫れ上がっていました。
この日から、ギブスの安定感からか痛みの訴えはなく、お風呂もシャワー浴びてOKが出ました。
ただし、遊びの中で不自由することが多く、苛立ちが多く出てきました。物にも当たったりしていました。
そんな時は、注意するよりそばに行って黙ってハグ!これが一番有効でした。自由が効かなくなって、一番辛いのは子ども本人です。間違っていることは分かっていても、どうしようもなく何かに当たりたくなる・・・大人でもありますよね。正論で注意するより、一回のハグの方が子どもを癒すことができると思います。
週末の診断までは何もしようがなかったので、いい意味で諦めて腹をくくれたように思います。
3度目の正直? 骨折から1週間後、3つ目の病院にて、ようやく手術回避が決定!!
土曜に受診した新たな病院にて、晴れて正式に手術回避!
となり、以下の話がされました。
・手術なはし!前回の整復が効いている。
・ギブスは4週間ぐらい。(すでに1週間はギブスをしていたので、残り3週間)
・運動制限がなくなることを「完治」と考えると、全治3ヶ月。
・骨も完全に折れて折れているわけではない。
(子どもの骨は若竹みたいな感じで、パキンと折れにくい。
・成長過程は見ていく必要のある部位の骨折。場合によってはその時に手術になる。
・運動❌。走るのも❌。お風呂も短時間なら浸かってもいい。
・ギブスをしているのでズレの心配ない。
これで治療の方向性が見えてきましたので、ようやく次の問題が見えてきました。
「保育園、どうしよう?」骨折時に、保育園・幼稚園は行けるの? 結論:ギブス期間は休みました
保育園・幼稚園に通っているときに骨折した時は通えるのか?について語りたいと思います。
息子の保育園の場合は、「ギブス中は登園不可」。「ギブス後は様子を見て登園を考える」という事でした。保育園の言い分としては、「自分のことが自分でできれば登園してもOK」。
息子の骨折は関節のため、右腕がほとんど使えない状態でした。そのため、ある程度は人の手が必要で、自分のことを全て1人ではできません。登園は断念することにしました。
幸い、我が家は私は疾病中(適応障害)で家庭で勉強をしていましたし、夫は在宅勤務が基本のだったので、ギブスの1ヶ月間の休めたというのが大きい理由でもあります。
会社で勤めている人であれば、保育園登園できないことは死活問題ですし、誰が日中子どもを見るのか、夫婦の問題も勃発することと思います。
「登園できないなんて、困る!!」 よくよく保育園か役所に家庭の事情などを話して相談してみてください!
私が公立保育園で働いている時は、骨折をしたお子さんには、「病児保育」を勧めることはありましたが、保護者がこのまま登園させたいとの事で登園していました。もしかしたら今の時代では、レアケースかもしれません。このお子さんは、保育園の活動中ではなく、家庭で骨折をしたケースです。集団保育が難しい、特別な配慮が必要なお子さんは、基本登園を辞退していただくか、病児保育・病後時保育の利用を勧めます。
基本的な保育園の性格が、【就労中の保育の保障】であるため、感染症などでない限り「絶対来ないでください」は言えないのです。
「ご協力ください」「お願いします」保育士が話せるのはここまで。
保護者がお願いします!と言えば、断ることは基本ないはずです。
ただし、同じ保育園でも「私立」の場合は、自治体のやり方を元にしながら園独自のやり方を任されていますので、今回のように断られても致し方ないのかなと思います。
ちなみに、園の活動で骨折した場合は基本的には園の職員が通院しますし、保育園への登園も可であることがほとんどでしょう。できる限り、その子に寄り添った対応をしてくれるはずです。
今回、我が家は本人のメンタル的にも休ませることで納得していましたが、休ませるのが難しい方は、保育園に相談したのちに自治体の保育園管轄の課にご相談してみて下さいね。
お役所仕事と言われたりもしますが、個別の家庭の事情を考慮してくれることもありますよ。
登園するならどうしたらいい?親が気をつけることは?
いざ登園が決まって、親ができることはなんだろう?と悩みますよね。
親ができることは、①医師からの正確な情報の伝達 ②子どものメンタル確保 ③保育園とのより細やかな連携かと思います。詳しく説明しますね。
保育士たちが知りたいのは、「今、何ができて・何ができないのか」です。
まずは、集団保育の中に1人別の配慮が必要なお子さんがいるということは、保育士にとってとても大変だということを理解してください。そのために明確に記してあげると先生は対応しやすいです。
お医者さんから言われた注意と、家庭内での過ごし方で手が必要な部分と1人でできる部分を明記しましょう。
例:ギブス中は固定されていて安全だが、転ばないようにする。
・運動❌ ・散歩は先生の可能な範囲内で(走れない、友だちと手をつなげない、固定遊具ばつ)・着替え、Tシャツなどの上着は基本1人でできる。ズボンなどは手が必要 ・手洗い、手伝ってもらう必要あり ・排泄 手伝ってもらう必要あり ・食事、お皿を持てないので、手が必要・・・など
骨折というのは子どものイベントの中でかなり大きな出来事になります。ギブスをしてから、一見は元気になってきた・・・?と思っていても、やはりそこには性格の見極めが必要です。我が子は進級・新担任・そして骨折の3つのストレスが続け様にきて、チック症状が出ていました。
また、久しぶりの登園で、今まで守ってくれた親がいない中に行くのはとても勇気が必要です。お子さんの性格を見極め、運動制限解除までは不安定になることを予想しておいてください。結果的に、問題なく通えればそれはそれでOKですし、度々登園拒否が出れば、(あー、そうだよな)と納得もできると思います。
ちなみに、我が子は先生の提案もあり、ギブス外しての一週間は玄関まで行き、登園シールを貼るのみでした。
徐々に徐々に本人と確認して伸ばしていった感じです。
頑張ることはできない時期なので、くれぐれも「がんばって!」はやめた方が◎。それよりも、「困ったことがあったら、先生に言ってね、そうしたらお迎えに行くからね」、「お昼食べたらお迎えだよ」「明日はお休みだね」など、見通しを伝えて安心をさせてあげるのがベストだと思います。
子どもにも、お医者さんからの過ごし方についてよく説明しておくとともに、「困ったことがあったら、どうする?」と話し合ってみてくださいね。骨折の不自由で、みんなより行動が遅れて悲しくなったり、取り残された気持ちになるかもしれません。たくさんの園児がいる中で、自分の言葉で「助けてください」「手伝ってください」と言うことは、幼児になったらとても大切なスキルになります。これが苦手なお子さんは、ぜひ、何度もいろんな場面を想定して、(我が家はロールプレイングで困った場面を再現したりしました)援助要請の出せるようにシュミレーションをしておくといいですよ!
家庭の様子を伝えるのですが、休みの日の様子や保育園帰宅後の子どもの様子はたくさん伝えました。
帰宅後は子どもが一番緊張から溶けた時なので、表情や話していることなどで子どもがその日、どうだったのか読み取れると思います。我が家は「明日は昼帰りにしてほしい」や休みの日は「月曜日は休みたい」などいることも多かったので、それも伝えました。たくさん情報を伝えることで、先生方もメンタルケアに気を配ってくれます。
また、ギブスが外れた後には、腕にネットを巻いて登園していました。目印をつけることで、本人・他の園児・担任以外の先生にも一目で注意を促せるからです。本人が気をつけていても、集団の中だと配慮が必要な子が、抜け落ちることもあります。ぜひ、おすすめします。
ギブスはどれくらいで外れるの? 結論:約1ヶ月でした(5歳児)
さて、治療の方針が決まってギブス4週間と言われましたが結果、怪我から約1ヶ月でギブスが外れましたー!!ほぼ先生の宣言通りです。
(4月24日に骨折し、4月26日にギブス。5月22日にギブスが外れました)
ギブスを外すときは、チェーンソーのような道具を使ってカットしていくのですが、それがとてもすごい音‼️
大人でも無意識で目を背けたくなります。それに、我が子はとても怖がりなんです。パニックを予想していました。
それを見抜いた先生が、「ほら、音はすごいけど、手が切れないでしょ。だから痛くないし大丈夫なんだよ」と先生自身の手のひらにチェーンソーのような機械を当てました。(内心、見ていて恐ろしい!)
手のひらにのせても「切れない!」というのを子どもに見せてくれたおかげで、
絶対に安全だと理解納得。怖がりながらもがんばってギブス外しに協力できました。
患者さんの気持ちに寄り添ってくれるお医者さんって、不安を取り除いてくれますよね。
「プロ」って感じでした。
ギブスを外して先生に言われたこと
ギブスを外した1週間後に再受診して、骨がずれていないか確認をするとのことでした。ギブスを外してから、先生にいくつかの過ごし方の注意を聞いたことのまとめです。
ギブスを外した後の過ごし方のポイント
①保育園の登園はOK(ギブス中も医者はOKでしたが)
②運動❌。
③無理に大人が動かそうとしない。子どもにリハビリは必要ない。自分で痛いことはしないし、自然に動かしていく。
④転んで手をつくなどしないように気をつける。
⑤ギブスをしていた部分部分の皮膚に垢が溜まっているが、無理には取らない。
(薄皮みたいになっていた)
⑥くっついたと言ってもまだ不完全な状態。
でも、いつかはギブスを取らなければならないので、取るべきタイミングに取ったということ。今の状態はまだ手をついたら痛い。
ギブスを固定した後は、子どもはかなり元気に遊んでいたので、ここからまた気を引き締めなければなりません・・・。
ギブスを外した直後の様子
ギブスを外した右腕は全体的に痩せていました。筋肉が落ちてしまったのだと思います。
外した後は、腕がぶら下がっているだけでもつらい様子。風が吹いても、ちょっと何かが掠った(かすった)だけでも「痛い」と言っていました。
反対の手で腕を支えて歩いていることも多かったように思います。
日を経つごとに、自分で痛みを確かめるようにして手を動かし始めました。
骨折経験のない私は、「ギブス外れた〜!治ったー!」と思っていたのですが、ここで大間違いだと気づきました・・・。
ギブスを外した後こそ、気をつけなければなりません。まだ完全に治ってない状態で手をつけば、再び骨折&手術の可能性も出てきます。子どもの行動のコントロールが必要です。
「転んだら大変なんだ」と説得することで、手をつかないように転び方を工夫していて(本人もまだ完全じゃないと理解していたのでしょう)、とても健気に過ごしていました。
ギブスを巻いていた部分の薄皮のような「垢」は、1〜2週間でキレイになったように思います。
そして、運動制限が解除されたのは、怪我をしてから約2ヶ月半。先生の予告より、数週間早めでしたが完治しました!!
完治後は、自分で確かめながら遊んでいたので、特別なリハビリはしていません。
次は、3ヶ月後に受診。これから間隔を少しずつ伸ばしながら経過観察をしていきます。
大きくなって手術にならないことと、今後、成長過程で骨折を繰り返さないことを祈ります・・・。
ギブス生活の心得(肘の骨折の場合:手のひら〜腕の付け根あたりまでギブス)
「ギブス時のお風呂の入り方は?」「三角巾の結び方は?」「三角巾以外に腕を吊る方法ある?」「かゆがったらどうしたらいい?』など、ギブスの生活はなったことのある人にしかわからないことってありますよね。
骨折経験がある親であれば、色々想像つくこともあると思うのです。
我が家のように両親ともに骨折が未経験の方は、よかったら参考にして下さい。
ギブス中の便利グッズ何を使った?何を試した?
長いギブス生活。少しでも不快なことは取り除いてあげたいですよね。
特に子どもの場合は伝える表現力もまだ乏しいので、親が行動の先回りして準備をしてあげることで不快を減らすことができます。
試した便利グッズ
①アームホルダー・・・三角巾ではなく、腕を吊るものです。マジックテープで止めるタイプ。背中を交差して取り付けるので、肩への負担が均等になると思いAmazonで購入しました。息子は腕のつり感が気に入らなく、あまりやりたがらず。あとマジックテープで止める素材なので、全体的に毛玉・埃がつきやすいです。肩への均等に負担をかけるについては◎です。動きが激しいと、ホルダーの部分から腕が抜けたりします。
我が家は肩下から手首までを覆うものでしたが、なんと!腕の締め付けが痛くて、子どもが耐えられず、即日断念しました。軽く鬱血覚悟でつけるのは、小さい子どもにはリスクしかなさそうです。大人が自己判断で短時間装着する分には役に立つのかもしれませんが・・・。
これだけは覚えておいて!〜ギブス生活の心得〜
ギブスは一旦したら基本、外しません。濡れたから、臭うからという理由で付け替えることはないので我慢するしかありません。なのでできるだけ濡らさないで生活することが大事です。
・入浴時は
1)使い捨て手袋✖️2 輪ゴムで手首を止める(手袋で下からの侵入を避ける!)
2)手首にスーパーのビニール袋を巻く&腕の付け根にスポーツタオルを縦半分にしてぐるぐる巻き
&腕全体ラップを巻く
*特に腕の付け根のタオルは濡れる前提なので、ギブスの中には侵入しないようにしっかり巻く。タオ.
ルの先を最後、巻き込む
3)ゴミ袋を被せて、肩の周りで養生テープで止める
2)と3)の巻き方や養生テープが甘いと、シャワー中にビニールが落ちてきます。その際、ラッ
プがしっかりできていればそこまで大事にはなりません。一つずつしっかりやること!
濡れるなと言われても、子どものことですし、何かが溢れて濡れることやお風呂でのハプニングで濡れることもあります。そんな時は、とにかくドライヤーで急いで乾かして下さい!温風だと火傷もあるので、冷風にしていました。我が家はそれで乗り切りました!
子どものギブス期間は短いと言われていますが、1ヶ月間、清潔に保つのにはなかなか大変です。
そんな時、我が家は「貼る包帯」をギブスの指先側に付けていました。これを毎朝、綺麗なものに取り替えるだけで、ギブスの汚れが目立ちませんよ。匂いもだいぶ防げるとおもいます。
我が家は5月いっぱいギブス。毎日公園に虫探しに出ていたので、すぐにギブスが汚れ出して悩みました。
この対策をしてから安心して遊ばせられますし、公園の後に外食や、買い物に行っても、サッと汚れも包帯を外せばOKなので、よかったです!(*ビニール手袋と輪ゴムとバンダナは常にリュックに入れて、外食時には手首に巻いたり、首につけたりしていました。)
病院でギブスをつけると初回だけ三角巾を付けてくれます。
1ヶ月、このいかにも怪我!という三角巾だと気分が上がらないだろうなぁと思って、もっと楽にできるものやおしゃれなものを探していました。
色々試しましたが、結論、シンプルな三角巾に軍配でした。
三角巾って柔らかい綿なので、よく伸縮するので体によく馴染みやすいようで、結局これが一番安定はしていました。
ちなみに何を試したのかというと
テンションは上がりますが、伸縮が弱いです。硬目の布なので、首の後ろの結び目が痛いようでした。吊るし方に工夫が必要。結び目が首ではなく、背中に来るようにやると落ち着きます。子どもの好きなキャラだと気分、少しでも上がりそうですよね!
先ほど紹介したものです。Amazonで購入。マジックテープなので覚えれば装着はラク。でも、埃などを集めやすい、毛玉になりやすい。また本人がスポッっと抜いちゃうことも多かったので、ほぼ却下かも。。。大きい子なら説明すれば抜かないと思います。
これはギブスをした息子と入ったカフェの店員さんが教えてくれました。子供に実際に試すことはありませんでしたが・・・
ギブスの中で痒くな時は、「菜箸でこちょちょする!」とのことでした。どうぞ、自己判断でお願いします。(自分ならいいけど、人にはやりたくないなぁ)
我が家は5月〜7月の骨折。暑いけれどもまだ涼しい日もありました。でも、暑い日に出かける時には、アイスノンを腕に巻きつけたり、首に巻いたりして、なるべく汗を欠かせない努力をしていました!汗をかくと、次第にギブスが匂います・・・。
怪我をした方から袖を入れて、首を入れて怪我をしていない方の手を入れる。かなり伸びるので、BIG Tシャツだと1人で着替えができました。
まとめ:骨折での診察~次の受診、保育園登園で大切なこと
最後に、今までのまとめです。子どもにとってはじめての大怪我。大人が落ち着くことが何より大切です。診察や受診までの間に我が子にしていたことをまとめます。
①子どもに病院での流れを説明して安心させる。
事前説明はとても大事です。病院(検査)によっては親が入れない(介入)できないこともあるので、どんな怪我・病気であってもこれは有効です。我が家の場合は嘘をつかずに、ちょっと痛いかもしれない場合は、それも伝えます。一番不安なのは何をするのかわからないこと。子どもは経験値が少ないので、いろいろな「初めて」に動揺します。「寄り添うことと嘘をつかないこと」が大事です。
②「大丈夫」を伝える。
病院に来たから大丈夫、手当してもらえるから大丈夫、など大丈夫を連呼します。親も子どもも暗示にかかりましょう。←こういう部分こそ、親、保育者にとって重要です。怪我の治療は専門家。心のケアは親や保育者ができること!
大人が不安になっている姿を見て、子どもは非常に動揺します。ネガティブワードは子どもに聞かせないようにしたいですね。
③医師に怪我の状況を伝える、他に怪我の箇所があればそれも伝える。
私の場合は、転んだ瞬間を見ていません。見たときには地面で寝ていたので、「どれくらいの高さ」かを、手で高さを示して、「乗ろうとして落ちたとみられるが見てはいない」と言うことをはっきり伝えました。その後、動きや泣き方、本人に聞いたことなどを伝えます。
④次の受診までの過ごし方を確認。
お風呂などですね。当然、ダメかと思いますが色々質問しておきましょう。
⑤当日の夜はお風呂なし、そしてギブスまでは寝るのが大変。
痛みと寝る体勢がしんどくて子どもがうなされます。親は付き合う覚悟で。
⑥発熱と骨折の因果関係はないけれど、発熱することもあるのかも(←我が子調べ。根拠なし)
以上が、今回の4歳児の骨折経験を通して親として学んだことです。
骨折の経験値などないほうがいいですが、もし、この経験の何かが誰かの役に立つとうれしいです。
*2021年9月現在。怪我から5ヶ月半経過。運動会の練習で、ブリッジ、前転・後転、功技台(ほく専門用語なのかな?とび箱の1段目が箱型のやつです)など、運動全般がんばっています!